日本海側のスミレを求めて

【追補】今回、テリハタチツボスミレと最初判断したスミレは、葉っぱの基部の切れ込み方がテリハタチツボスミレのそれではないことを理解しました(「原色日本のスミレ浜栄助著 1975年」)。皆様には誤った情報を提供し、申し訳ありませんでした。
その一方で、シチトウスミレとツヤスミレが同じか?に関しては、僕自身疑問を持っている。書籍により、印象がかなり異なっている。。これについては、継続調査としたい。

<雨のはずが・・・>
日本海側のスミレを求め、花の庵の管理人さんもさなえさんを訪ねた。天気予報では数日前までは雨のはずだったが、当日(21日)は、ナント、快晴だった!
聞けば、さなえさんは晴れ女だそうで、実は天照大御神だったらしい。しかも、前日にはご祈祷までして頂けたのだから、うーん、ピーカンなのもうなづける。
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当日は、さなえさんの他に、地元を40年回っているNさんに運転頂き、ご案内頂いた。まずは、海岸へ。
初めて見るイソスミレ。あー、会いたかった!ちょうど手前に大きなさざえの殻があり、海岸性のスミレであることを強調してくれた(置いたんじゃないよ)。イソスミレは基本的に日本海側に咲くタチツボスミレ類。海岸性だけあって、葉っぱが厚い。
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そして、アナマスミレ。礼文島のアナマで初めて見つかったので、この名だそうだ。日本海側で見られるスミレの品種だ。海も入れてパチリ!
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続きは、左下の"More"をクリックして下さい。
1.横置きの画像はクリックすると、少しだけ大きくなります。
2.撮影日は、4月21日
3. カメラは、Eos60D、iPhone4
4. レンズは、Canon マクロ100mm f2.8、Canon fisheye 15mm f2.8、Sigmaマクロ50mm f2.8



 <毛のないアナマスミレ!?>
以前からずっと日本海側のお花にはあこがれていたが、ようやく、ついに実現した。初見のスミレは花(全体、花柱と側弁基部)、距、葉の表、葉の裏がわかるように撮影しないといけなかったが、つい忘れてしまい、不完全。一応、載せておこう。
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こちらは、アナマスミレ。こっちは葉の裏側まで撮影できた。
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気になったのは、アナマスミレの1株。撮影時は気づかなかったが、撮影したうちの1株(下図のb)は拡大してみたが、側弁基部に明らかに毛がない!「あれ?」色々探したが、側弁基部に毛のないアナマスミレの存在の記述は見当たらなかった。でも、図鑑(写真集)を見てみると、「写真集日本のスミレ」(浜栄助編、誠文堂新光社、1987年)のp.85の写真cは毛がないように見える。Sさんからは写真集で見ては駄目だとお叱りを受けそうだが、スミレ第一人者の浜さんの編集なので、間違いないだろう。他に、「スミレハンドブック」(山田隆彦著、文一総合出版、2010年)のp.56の小さい方の写真も側弁基部に毛がないようにみえる。
但し、毛がみえにくい場合もあるので、要注意。毛がないアナマスミレも本当にあるのか、真偽については次回日本海に出かけた折りによく観察してみたい。
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<テリハタチツボスミレ!?>
海岸から少し離れた祠の少し陰った林床に咲いていたタチツボスミレの仲間。葉がてかっている。
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すぐに、テリハタチツボスミレと思った。恥ずかしながら、ツヤスミレという名前を最近になって初めて知ったので、これとの違いが気にかかる。僕が今までに見たのはシチトウスミレだけだった。それとは明らかに違うイメージだが、葉の照りは明瞭だった。
日曜日は雨だったので、図書館で「原色日本のスミレ」(浜栄助編、誠文堂新光社、1975年)と前述の「写真集日本のスミレ」(浜栄助編、誠文堂新光社、1987年)を借りてきた。前者p.52では、「ツヤスミレ」は西日本を中心に海岸沿いや島々に多い」とある。スケッチはない。この本では「シチトウスミレ」は別記載である。「テリハタチツボスミレ」の分布は、「イソスミレと同じように、日本海側の青森県から福井県西部にかけて分布する・・・イソスミレが海浜性であるのに比べ、本種は標高500から800mのブナ帯の林中の陰地または半陰地の湿り気の多い腐葉土の所に多い。・・・福井県以西の、たとえば島根県平田市鰐淵山系などにもあると言われている・・・」と記載されている。後者の写真集を見ると、p.24上の写真のツヤスミレは僕のイメージのシチトウスミレに似ている。今回見たテリハらしきタチツボスミレはp.91の福井県のテリハタチツボスミレのイメージに近い。
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これだけではよくわからないので、YListとFlora Japanを調べてみた。すると、面白いことがわかった。いずれのデータベースを見ても、シチトウスミレ(標準名;Viola grypoceras A.Gray var. hichitoana (Nakai) F.Maek.)の別名がツヤスミレとなっているではないか!?しかも、Flora of Japanでは、「シチトウスミレ(別名:ツヤスミレ)の分布は、本州の千葉県や伊豆諸島以南の太平洋側の本州、四国、沖縄(原文は英語)」と記載されていた。植物学で最も信頼できるのはYListとFlora Japanとお聞きしているが、そこではツヤスミレはシチトウスミレの別名であり、分布は本州では太平洋側であることがわかった。従って、今回撮影したタチツボスミレもテリハタチツボスミレで良いと判断したが、ご意見のある方はぜひお聞かせ下さい。
【追補:重要】
ブログ先頭にも記載したが、僕の理解不足でした。やはり、このスミレはタチツボスミレが海岸に近かったために、照りが入っただけと考えるのが妥当です。失礼しました。
本物のテリハタチツボスミレは、以下のリンク先参照。
http://watdream.exblog.jp/22462554/
<その他の日本海側のスミレ>
これら以外には、やっぱり、サンインスミレサイシンだろう。葉っぱの先端がぎゅっと締まっているが、スミレサイシンとの区別の難しい株も多く、連続的な印象だ。
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そして、ナガハシスミレ。お久しぶり。これでもかってくらい、咲いていた。
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オオタチツボスミレも一応日本海側のスミレとなっているが、必ずしもそうではないようだ。

<オトメスミレとシロバナタチツボスミレ>
オトメスミレは多かったが、シロバナタチツボスミレはこのコロニーしか見かけなかった。箱根だと、いずれもいっぱい見られる。
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<どうしても会いたかったスミレ>
日本海側のスミレにはぜひ会いたかったが、じつはもうひとつどうしても会いたかったスミレがフイリハグロシハイスミレ。残念ながら、明確なフイリのハグロシハイスミレは見れなかったが、結構美人さんのハグロシハイスミレには会えた。
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図のcの葉っぱはフイリだが、花はまだ先のようだ。
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<One More Thing>
最後に、スミレ以外のお花。これら以外にもいっぱい見れたが、エキサイトブログでは写真は15枚に限られているため、1枚のみ。色んな色のトキワイカリソウを楽しめた。
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ご案内頂いたさなえさん、Nさん、ありがとうございました。日本海側のスミレ、満喫できましたよ。またの機会にぜひお会いしましょう。
by bjynp | 2012-04-25 07:25 | スミレ野


ネイチャー(花、風景、昆虫など)の写真、エッセイを載せてます。春はスミレ追いかけてます。アップルがサービスを中止してオリジナルサイトNature Worldを更新できなくなったので、こちらに隠れ野、開きました。


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